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nice boat!(「school days」の逆襲)

作成年月日
2007年09月26日 03:55

まったく予想外だった。先日書いた「牽強付会(「School Days」放送中止に寄せて)で触れた「School Days」最終話放送中止が、こんな展開を見せるなんてあの時世界の中で誰が予想しえただろうか。今日、このアニメの原作ゲームを制作したOverflowというゲーム会社が、放映されなかった最終話の試写会を執り行うというのである。そこだけ聞けばちょっといい話に聞こえなくも無いが、その実施要綱を読むと唖然とすること間違いなしだろう。この話自体潰れる可能性があると俺は見ているので、念の為また引用しておくとしよう。

DVD『School Days』第1巻の発売を記念いたしまして、TVアニメ『School Days』第12話の試写会を行います。
1日限りの試写会となりますのでこの機会にぜひともご参加ください。

日時:今週中の開催を予定しています(レイトショーの予定となります)
受付:決まり次第お知らせします
入場:決まり次第お知らせします
上映:決まり次第お知らせします
※各上映回スケジュールは会場にてお知らせします。
 全席指定となります。
会場:東京都内会場(確定次第お知らせします)
主催:Overflow

試写会参加条件

試写会に参加ご希望の方は以下のいずれかの商品をご準備ください。

未開封のPCゲーム『School Days』
未開封のPCゲーム『Summer Days』

上記のうち、どれか一つを受付までお持ちください。

商品の個数に限らず、お一人様1回限りの入場とさせていただきます。

受付方法

1)試写会会場の受付にて未開封状態の商品をご提示していただきます。
2)受付にて商品の開封を行い、入場整理券の引き換えを行います。
3)座席は全席指定となります。

※商品のシュリンク(透明なビニールの包装)が破られていない状態を未開封とします。
開封済みの商品では受付をお断りさせていただきますのでご了承願います。

分かって頂けただろうか。試写会参加条件の所を意訳すると「最終話を観たければ原作のゲームの『未開封品』を持って来い」と言っているのである。

はぁ?

あんた達のこの2年間の給料を捻出し、かつ最終話の放映を待ち望み、抗議のメールを送ったりしたであろう人達はこのゲームを買って開封してインストールしてプレイしようとしたらバグだらけで、それでも頑張って馬鹿みたいにデカイ修正パッチを充ててプレイしてくれた人達であって、その人達にまた、最終回を観る為だけに「新品」を買わせようというのか?そしてその場で入場整理券と引き換えに開封すると?

まったく意味が分からない。いや、意味も魂胆も明け透け過ぎる位だがその醜悪さに思考が付いていかない。この上映会はこのゲーム会社単独の企画らしいので、テレビ局は完全にこの作品を降りたのだろう。最終話の権利の全てはこの会社に買い取られたという事なのか。しかし「あのね商法」(参照:「商売として考えてもいただけない」)もビックリのアイデアである。普通に入場料を取ればまだ同情される物をわざわざ同じソフトをもう一度買わせて、しかも転売出来ないように開封までしてくれる大サービスまで付いて来るなんて、これは手の込んだ計画破産でも考えているのだろうか。これまで放映中止に怒っていた2ちゃんねるの連中も、「もうこの会社を潰そう」とそこここでスレッドを立てている。俺もまったく同感である。こんな会社やクリエイターは要らない。

ゲームには「ユーザー登録はがき」という物が付いていて、初回に致命的なバグを抱えたまま発売されたこのゲームのユーザーは、結構な割合でその登録をしている筈であり、もし登録していなくても商品を手元に残していればその「ユーザー登録はがき」もまた残っている筈である。希望者にはユーザー登録と引き換えに整理券を郵送、入場料を振り込みとすれば古参のユーザーも新規のユーザーも払う金額は一緒なのに、こんな馬鹿なやり方では前からのファンが倍の金額を支払う事になるのである。しかもこの試写会の注意書きには

・試写会参加ご希望者多数の場合は、入場をお断りする場合がございます。また、入場できない場合の補償はございませんので、あらかじめご了承ください。

という断り書きまで付いている。わざわざ新品のゲームを買いなおして出かけて行ったら満員で観られないかもしれないのである。うわぁ、自分で書いてても手が震える。頭が悪いのか性格が悪いのかその両方なのかはは分からないが、これを企画した奴はどうかしている。自分達の味方に向かって手榴弾投げ込んでどうするのだろう。

この一件と、「School Days」の放送が中止された事に関しては全く無関係で、「School Days」最終話が放送されなかった事を遺憾に思う気持ちは今も変わらない。が、それはそれとして、こんな会社は潰れてくれて構わない。この後試写会が取り止めになろうが入場方法が変わろうが、もう取り返しがつかない程の事をしでかしてくれたのである。

いや、待て待て待て。やっぱりおかしい。これはきっと何か壮大な裏があるんだな。仮にもいい歳した大人がこんな愚かで卑小な事を思いつく筈がない。公式サイトがハッキングされて内容を書き換えられたんだろう。これはメディア側の姑息な陰謀の公算が大きい。えーと、後は何だ?あぁ、そうか。未開封品を持って来てくれた人にはその場で正規の金額を返金するんだな。「君が本当に『School Days』を愛しているのか確かめさせて貰った。こんな姑息なやり方をして済まない。もしこのソフトが2個目だったら、それは誰か君の友人にプレゼントしてくれたまえ。」とか言うつもりか。なる程凄いツンデレだな。「本当に開封するわけ無いじゃない……バカ」みたいな感じか。くはっ、萌える!えーと、後は……後は……。

追記

発表後半日で入場方法の変更。

お申し込み方法:メールにてお申し込みください。
お申し込み締切:9月27日0時0分(0時0分受信分で締め切ります)
応募制限:お一人様1回のみのご応募とさせていただきます。
当選発表:抽選結果をメールでお知らせします。(9月27日正午までの抽選結果通知発送完了を予定)

試写会にご参加の際は、以下の物をご準備ください。受付の際に確認いたします。

・免許証等のお名前と生年月日が確認できる物。

・以下の商品のいずれか1つ
 PCゲーム『School Days』(初回版、リニューアル版)
 PCゲーム『Summer Days』(初回版、通常版)
 開封済、未開封は問いません。

余りの非難に耐えかねて条件を緩和したという事なのだとしたら、つまり当初の案はマジだった、という解釈で良いわけかな?