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ロックの正体(第1段)

作成年月日
2007年03月27日 04:06

今から書く事はとてもとてもいい加減な話である。おそらく数年後に読み返してあまりの勘違いぶりに思わず削除してしまう可能性が高いのだが、ちょっと整理の意味も込めつつ恥を承知で書いておこう。内容はロックンロールと呼ばれる音楽の正体についての音韻的考察である。

「ロックとは何か」という問いは近代において嫌になるくらいに繰り返されたとは思う。愛好家が集まる席、バンドのミーティング、2ちゃんねるのスレッド等でこういう話題が振られたら喧々囂々の罵り合いに発展してしまうくらいにポピュラーで、かつ深遠なテーマだと思うのだが、そこで言われる「魂の云々〜」みたいな 話は全然分からないので脇に置いて、ロックンロールの音韻的様式について書いておこうと思ったのである。繰り返すがこれはロックという音楽ジャンルを避けながらこの歳まで生きた人間が最近になって「あれ?もしかしてこういうのがロック?」と早とちりに近い位の感性で飛びついた定義である。そこを忘れてはいけない。

ずっと引っ掛かっていて、けれど明確な答えが見つからなかった疑問の一つに「ロックとポップスってどう違うのよ」という物があったのだ。これをスラッと答えられる人はどの位いるのだろう。魂とかファッションとか売り上げとかそういう話ではなく楽譜上の違い。楽譜を見て「これはロック、こっちはポップス」と見分けるポイントはどこなのよ、という事だ。アレンジの時にどこをどうしたらロックになるのだろう、と言い換える事も出来る。クラシック和声から入ってポップスに抜ける道は簡単で、両者の間には高い親和性があり、ポップスに出てくるコードやコード進行は、殆どがクラシック和声で説明出来る。また、クラシックとジャズの間にも同様に濃密な関係性があり、一時的な転調が頻繁に起こるモダンジャズは調性と転調の作法によって成り立っていると言える。そもそも近代音楽はクラシック音楽のルールを緩くしたり、逆に新しいルールを付加したりして作られているのだから親和性があって当然である。ジャンルを構成する遺伝子の違いは僅か数パーセントであり、その数パーセントのエッセンスを知る事で様々な様式で曲を作る事が出来るのだ。

世の中には様々な音楽ジャンルがあり、中にはまだ耳にした事のない系統の音楽も含まれているだろう。それらのエッセンスを知る由もないのは当然なのだが、「ロック」と呼ばれるジャンルはそこら辺にありふれている位にメジャーな物だ。それのエッセンスが分からないというのがとても不思議だったのである。ロックって何なのだろう。どうすればロックになるのだろう。というかどうして俺の作るアレンジはロックっぽく無いのだろう?こんなに巷で鳴ってる筈なのに、どうしてこのジャンルは俺にとっていつまでも正体不明のままなのだろう。そういう疎遠さがこのジャンルには有ったのである。

ロックとは何なのか、その回答を得た過程を書いておこうと思ったのだが長くなりそうなので詳細は次回に持ち越そうと思う。

続く