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深緑と体力

作成年月日
2006年08月07日 07:53

一昨日は家族と親しい友人とで「澤乃井園」という渓流沿いの庭園に日本酒を呑みに行った。三十路をきっちり越えた男衆には厳しい陽気だったが沢を渡る風は都内より格段に涼しく、非常に馬鹿で風流な一時を過ごした。皆元気そうで何よりである。

檜木さんが持って来たビデオカメラを弄びつつ頭の中では目の前の緑をキャンバスに描く行程をシミュレーションしたりもしていたのだが、概ね良く遊び良く食べた。

その後は青梅市納涼花火大会に繰り出したが、鉄道公園に行くつもりが何故かメイン会場である永山公園グラウンドに辿り着いてしまった上、その事に帰る時まで気付かずにいる顛末。地元民が初めて訪れた人間に案内されていてはいけない。

この地域は東京都内にあって未だやけくそみたいに自然が残っている風靡な一帯だが、ほんの少し電車で遠出するだけの体力を俺が持ち合わせていない為、こういう機会でも作って貰わないとなかなか足を延ばす事もない。昼間から延々日本酒やビールをあおりつつ強い日差しと鮮やかな緑に当てられた身体に花火の音と光が大変心地良かったのだが、時には娘を抱いて坂道を登ったり下ったりした上、この後そのまま檜木さんと朝まで酒盛りなどをやらかしてしまった為体力が底をついてしまい、今の今まで身動きが取れずにヒイヒイ言っていたのである。

なるほど人生は等価交換で楽しい思いをする為には相応の苦労が待っているのかと一瞬考えたが、ある程度の体力を保持していれば楽しい思いだけして帰ってくる事も可能だったのではないかと、普段の不摂生をちょっと反省したりもした一日であった。